フジノパーシア

フジノパーシア
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 1971年5月10日
死没 1987年11月1日
パーシア
チエクイン
生国 日本の旗 日本北海道静内町
生産者 北西牧場
馬主 真田繁次・高橋金次
調教師 柴田寛(東京
競走成績
生涯成績 23戦11勝
獲得賞金 2億2747万8600円・5,000ドル
勝ち鞍 天皇賞 (秋)(1975年)
東京新聞杯(1975年)
ダイヤモンドステークス(1976年)
宝塚記念1976年
高松宮杯(1976年)
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フジノパーシア日本競走馬。主戦騎手は大崎昭一。おもな勝ち鞍は1975年(昭和50年)の天皇賞(秋)及び1976年(昭和51年)の宝塚記念・高松宮杯。半弟に兄と同じ天皇賞(秋)を制したスリージャイアンツがいる。同期にキタノカチドキコーネルランサータカエノカオリトウコウエルザサクライワイイットー・アイフルがいる1974年(昭和49年)世代。長距離系種牡馬パーシアの代表産駒。同期のサクライワイに勝るとも劣らぬ道悪巧者でもあった。

  • 馬齢については原則旧表記(数え)とする。

戦績

3歳冬にデビュー戦を勝利したフジノパーシアだったが、脚部不安の為に休養に突入、結局クラシックにはトライアルレースにすら出走せずに終わった。

4歳春に復帰し、5歳早々にオープン入りすると2月の東京新聞杯重賞初制覇となった。更に、得意の不良馬場となった天皇賞(秋)では2番人気に支持されると、中団追走から4角手前で一気にスパートして先頭に立ち、1番人気に支持されたキクノオーが直線で伸び悩む[1]のを尻目に、同期のカーネルシンボリトウコウエルザらの追撃も許さず優勝、八大競走勝ち馬となった[2]。次走・有馬記念ではやはり同期のキタノカチドキらを抑えて1番人気に支持されたが、この年の日本経済賞の優勝馬ホワイトフォンテンを気にしすぎた[3]のを勝負師の異名を持つ加賀武見騎乗のイシノアラシに突かれ、2着に終わった。

6歳時は第17回宝塚記念[4]・高松宮杯を連勝した他、春先のダイヤモンドステークスにも勝利した。秋は天皇賞出走権が無い(当時の天皇賞は勝ち抜け制)事もあり、12ハロンのワシントンDCインターナショナルに日本代表で参加した。だが、プレゼンターとして来ていたこの時代屈指の美人女優として名を馳せたエリザベス・テイラーが巻き起こす騒ぎに冷静さを欠いてしまい、得意の不良馬場にもかかわらず6着に沈んだ。この時はエリザベス・テイラーの取材を目的とする記者が多数来ており、彼らが競走馬たちのことをまるで気にせず、馬が近くにいても遠慮なくフラッシュを焚いて写真を撮るなどしていたという。また来場者数も記録的だった上に、エリザベス・テイラー目的で来場していた者が少なくなかったと言われている。このレースでも手綱を取った大崎は、後に「この騒ぎが無かったら2着には入っていただろう」と語っている。それでもスピードシンボリ以来の入着を果たし、賞金5000ドル、日本円にして50万円を獲得。帰国後の有馬記念では、新たな最強世代TTGの二頭・トウショウボーイテンポイントがおり、結局この2頭にはおろか天皇賞を制したばかりの同期のアイフルにまでも先んじられる8着に敗退、このレースを最後に引退した。

引退後

引退したフジノパーシアは、門別町で種牡馬生活を開始した。だが、この時代の国産馬の御多分に漏れず不振、晩年は当て馬稼業がメインとなった。1987年11月1日、種牡馬時代からの持病と化していた腹痛(腸捻転)が原因で安楽死となった。 

競走成績

血統表

フジノパーシア血統ブランドフォード系 / Hyperion 3x5=15.63%) (血統表の出典)

*パーシア
Parthia
1956 鹿毛 イギリス
父の父
Persian Gulf
1940 鹿毛 イギリス
Bahram Blandford
Friar's Daughter
Double Life Bachelors Double
Saint Joan
父の母
Lightning
1950 鹿毛 イギリス
Hyperion Gainsborough
Selene
Chenille King Salmon
Sweet Aloe

チエクイン
1966 鹿毛 日本
*ダイハード
Die Hard
1957 栗毛 イギリス
Never Say Die Nasrullah
Singing Grass
Mixed Blessing Brumeux
Pot-pourri
母の母
ヒガシヒメ
1960 黒鹿毛 日本
*ゲイタイム
Gay Time
Rockefella
Daring Miss
ヒガシハタ *ライジングフレーム
ツキノボル F-No.8-a


脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 当時の天皇賞(秋)は「1番人気が勝てない」レースとして有名であった。直近の1番人気での優勝馬は1965年(昭和40年)のシンザンであり、1971年(昭和46年)以降の1番人気馬は複勝(3着以内)にすら絡まなくなっていた。結局、1976年以降も3200m時代には1番人気馬が勝利することはなかった。
  2. ^ 【競馬】1975年天皇賞(秋)フジノパーシア
  3. ^ ホワイトフォンテンとは相性が非常に悪かった。実際、ホワイトフォンテンが制した日本経済賞にはフジノパーシアも出走していた。また翌年(1976年)のAJCCでも、やはりホワイトフォンテンに逃げ切られている。
  4. ^ 1976年は京都競馬場で開催された。1976年第17回宝塚記念 フジノパーシア

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ
(旧)最優秀5歳以上牡馬
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
最優秀4歳以上牡馬
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
    *2 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施
日本の旗 高松宮記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1971年) シュンサクオー
02回(1972年) ジョセツ
03回(1973年) タケデンバード
04回(1974年) ハイセイコー
05回(1975年) イットー
06回(1976年) フジノパーシア
07回(1977年) トウショウボーイ
08回(1978年) ヤマニンゴロー
09回(1979年) ネーハイジェット
第10回(1980年) リンドプルバン
第11回(1981年) ハギノトップレディ
第12回(1982年) カズシゲ
第13回(1983年) ハギノカムイオー
第14回(1984年) キョウエイレア
第15回(1985年) メジロモンスニー
第16回(1986年) ラグビーボール
第17回(1987年) ランドヒリュウ
第18回(1988年) オグリキャップ
第19回(1989年) メジロアルダン
第20回(1990年) バンブーメモリー

第21回(1991年) ダイタクヘリオス
第22回(1992年) ミスタースペイン
第23回(1993年) ロンシャンボーイ
第24回(1994年) ナイスネイチャ
第25回(1995年) マチカネタンホイザ
第26回(1996年) フラワーパーク
第27回(1997年) シンコウキング
第28回(1998年) シンコウフォレスト
第29回(1999年) マサラッキ
第30回(2000年) キングヘイロー

国際競走指定後:
第31回(2001年) 日本の旗 トロットスター
第32回(2002年) 日本の旗 ショウナンカンプ
第33回(2003年) 日本の旗 ビリーヴ
第34回(2004年) 日本の旗 サニングデール
第35回(2005年) 日本の旗 アドマイヤマックス
第36回(2006年) 日本の旗 オレハマッテルゼ

国際G1昇格後:
第37回(2007年) 日本の旗 スズカフェニックス

第38回(2008年) 日本の旗 ファイングレイン
第39回(2009年) 日本の旗 ローレルゲレイロ
第40回(2010年) 日本の旗 キンシャサノキセキ
第41回(2011年) 日本の旗 キンシャサノキセキ
第42回(2012年) 日本の旗 カレンチャン
第43回(2013年) 日本の旗 ロードカナロア
第44回(2014年) 日本の旗 コパノリチャード
第45回(2015年) 香港の旗 エアロヴェロシティ
第46回(2016年) 日本の旗 ビッグアーサー
第47回(2017年) 日本の旗 セイウンコウセイ
第48回(2018年) 日本の旗 ファインニードル
第49回(2019年) 日本の旗 ミスターメロディ
第50回(2020年) 日本の旗 モズスーパーフレア
第51回(2021年) 日本の旗 ダノンスマッシュ
第52回(2022年) 日本の旗 ナランフレグ
第53回(2023年) 日本の旗 ファストフォース
第54回(2024年) 日本の旗 マッドクール

   

国際競走指定前:
001回(1937年) ハツピーマイト
003回(1938年) ヒサトモ
005回(1939年) テツモン
007回(1940年) ロツキーモアー
009回(1941年) エステイツ
011回(1942年) ニパトア
013回(1943年) クリヒカリ
016回(1947年) トヨウメ
018回(1948年) カツフジ
020回(1949年) ニユーフオード
022回(1950年) ヤシマドオター
024回(1951年) ハタカゼ
026回(1952年) トラツクオー
028回(1953年) クインナルビー
030回(1954年) オパールオーキツト
032回(1955年) ダイナナホウシユウ
034回(1956年) ミツドフアーム
036回(1957年) ハクチカラ
038回(1958年) セルローズ
040回(1959年) ガーネツト
042回(1960年) オーテモン
044回(1961年) タカマガハラ
046回(1962年) クリヒデ
048回(1963年) リユウフオーレル
050回(1964年) ヤマトキヨウダイ
052回(1965年) シンザン
054回(1966年) コレヒデ
056回(1967年) カブトシロー

058回(1968年) ニットエイト
060回(1969年) メジロタイヨウ
062回(1970年) メジロアサマ
064回(1971年) トウメイ
066回(1972年) ヤマニンウエーブ
068回(1973年) タニノチカラ
070回(1974年) カミノテシオ
072回(1975年) フジノパーシア
074回(1976年) アイフル
076回(1977年) ホクトボーイ
078回(1978年) テンメイ
080回(1979年) スリージャイアンツ
082回(1980年) プリテイキャスト
084回(1981年) ホウヨウボーイ
086回(1982年) メジロティターン
088回(1983年) キョウエイプロミス
090回(1984年) ミスターシービー
092回(1985年) ギャロップダイナ
094回(1986年) サクラユタカオー
096回(1987年) ニッポーテイオー
098回(1988年) タマモクロス
第100回(1989年) スーパークリーク
第102回(1990年) ヤエノムテキ
第104回(1991年) プレクラスニー
第106回(1992年) レッツゴーターキン
第108回(1993年) ヤマニンゼファー
第110回(1994年) ネーハイシーザー
第112回(1995年) サクラチトセオー
第114回(1996年) バブルガムフェロー

第116回(1997年) エアグルーヴ
第118回(1998年) オフサイドトラップ
第120回(1999年) スペシャルウィーク
第122回(2000年) テイエムオペラオー
第124回(2001年) アグネスデジタル
第126回(2002年) シンボリクリスエス
第128回(2003年) シンボリクリスエス
第130回(2004年) ゼンノロブロイ

国際競走指定後:
第132回(2005年) 日本の旗 ヘヴンリーロマンス
第134回(2006年) 日本の旗 ダイワメジャー
第136回(2007年) 日本の旗 メイショウサムソン
第138回(2008年) 日本の旗 ウオッカ
第140回(2009年) 日本の旗 カンパニー
第142回(2010年) 日本の旗 ブエナビスタ
第144回(2011年) 日本の旗 トーセンジョーダン
第146回(2012年) 日本の旗 エイシンフラッシュ
第148回(2013年) 日本の旗 ジャスタウェイ
第150回(2014年) 日本の旗 スピルバーグ
第152回(2015年) 日本の旗 ラブリーデイ
第154回(2016年) 日本の旗 モーリス
第156回(2017年) 日本の旗 キタサンブラック
第158回(2018年) 日本の旗 レイデオロ
第160回(2019年) 日本の旗 アーモンドアイ
第162回(2020年) 日本の旗 アーモンドアイ
第164回(2021年) 日本の旗 エフフォーリア
第166回(2022年) 日本の旗 イクイノックス
第168回(2023年) 日本の旗 イクイノックス

日本の旗 宝塚記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1960年) ホマレーヒロ
02回(1961年) シーザー
03回(1962年) コダマ
04回(1963年) リユウフオーレル
05回(1964年) ヒカルポーラ
06回(1965年) シンザン
07回(1966年) エイトクラウン
08回(1967年) タイヨウ
09回(1968年) ヒカルタカイ
第10回(1969年) ダテホーライ
第11回(1970年) スピードシンボリ
第12回(1971年) メジロムサシ
第13回(1972年) ショウフウミドリ
第14回(1973年) ハマノパレード
第15回(1974年) ハイセイコー
第16回(1975年) ナオキ
第17回(1976年) フジノパーシア
第18回(1977年) トウショウボーイ
第19回(1978年) エリモジョージ
第20回(1979年) サクラショウリ
第21回(1980年) テルテンリュウ
第22回(1981年) カツアール
第23回(1982年) モンテプリンス

第24回(1983年) ハギノカムイオー
第25回(1984年) カツラギエース
第26回(1985年) スズカコバン
第27回(1986年) パーシャンボーイ
第28回(1987年) スズパレード
第29回(1988年) タマモクロス
第30回(1989年) イナリワン
第31回(1990年) オサイチジョージ
第32回(1991年) メジロライアン
第33回(1992年) メジロパーマー
第34回(1993年) メジロマックイーン
第35回(1994年) ビワハヤヒデ
第36回(1995年) ダンツシアトル
第37回(1996年) マヤノトップガン

国際競走指定後:
第38回(1997年) 日本の旗 マーベラスサンデー
第39回(1998年) 日本の旗 サイレンススズカ
第40回(1999年) 日本の旗 グラスワンダー
第41回(2000年) 日本の旗 テイエムオペラオー

国際G1昇格後:
第42回(2001年) 日本の旗 メイショウドトウ
第43回(2002年) 日本の旗 ダンツフレーム

第44回(2003年) 日本の旗 ヒシミラクル
第45回(2004年) 日本の旗 タップダンスシチー
第46回(2005年) 日本の旗 スイープトウショウ
第47回(2006年) 日本の旗 ディープインパクト
第48回(2007年) 日本の旗 アドマイヤムーン
第49回(2008年) 日本の旗 エイシンデピュティ
第50回(2009年) 日本の旗 ドリームジャーニー
第51回(2010年) 日本の旗 ナカヤマフェスタ
第52回(2011年) 日本の旗 アーネストリー
第53回(2012年) 日本の旗 オルフェーヴル
第54回(2013年) 日本の旗 ゴールドシップ
第55回(2014年) 日本の旗 ゴールドシップ
第56回(2015年) 日本の旗 ラブリーデイ
第57回(2016年) 日本の旗 マリアライト
第58回(2017年) 日本の旗 サトノクラウン
第59回(2018年) 日本の旗 ミッキーロケット
第60回(2019年) 日本の旗 リスグラシュー
第61回(2020年) 日本の旗 クロノジェネシス
第62回(2021年) 日本の旗 クロノジェネシス
第63回(2022年) 日本の旗 タイトルホルダー
第64回(2023年) 日本の旗 イクイノックス

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